異世界漫画紹介

「100万の命の上に俺は立っている」は主人公の奇行を楽しむ物語

「100万の命の上に俺は立っている」は少年マガジンで月イチ連載されています。
多少亜流ですが、異世界転生のジャンルに入るでしょう。クエスト攻略型のバトルマンガです。

Contents

突然クラスメイトとクエスト攻略

都会の生活にうんざりしていて、将来の希望がない高校生、四谷は、放課後の教室で突然異世界に転移します。

そこにはクラスメイトの女の子、箱崎と新堂が。

ゲームマスターと呼ばれる謎の生命体にこの世界のルールを教えられ、与えられたクエストを攻略させられるところから話が始まります。

主人公の奇人ぶりが面白い

クラスメイトと異世界転移し、クエスト攻略することになる…という展開は珍しくないパターンですが、本作で面白いのが主人公の四谷の性格です。

少年誌の主人公に全くふさわしくない、彼の奇人ぶりをまとめました。

ときには仲間を見捨てる合理的思考

クエストの最中で、仲間が捕まってしまうことがあります。

当然他の仲間は助けに行こうとしますが、「見捨た方が早く確実にクエストを攻略できる」という理由で、四谷は見捨てる選択をしようとします。

当然、仲間から変人扱いされます(汗)

都会と都会の子どもを親の敵のように憎む

小さい頃は地方で暮らしていた四谷は、地方の友達には素を出しますが、今のクラスメイトとは線を引き、本心で接することをしません。

そのため、一緒にクエストを攻略する仲間とも距離を置いて接します。その一方で、転移した世界のキャラの方とは本心で接しています。

彼が都会を憎む力は反骨心となり、ピンチになったときに奮起する心のよりどころになってもいますその理由は、物語が進むと明かされるのかもしれません。

100万の命の上に俺は立っている紹介画像
(出典:100万の命の上に俺は立っている)
※四谷は東京に一体どんな恨みをもっているのでしょうか。

学生とは思えぬ精神力

到底登れないような深い底に落とされ、真っ暗闇の中で一人になった四谷は、慌てず冷静に何度失敗しても登りきります。

また、味方が諦めてしまうような絶望的な窮地に陥っても、彼は諦めずに自分にできることをひたすら行動します。

その行動力によって、彼は奇人ながら周りの信頼を得て、まあまあの数の女性キャラからモテることになります。

個性的なのは主人公だけではない

このような個性的な主人公の本作ですが、変わっているのはそれだけじゃなく、作品の設定や展開にも面白いものがあります。

クエストクリア条件が曖昧

クエストをクリアするために、「『荷物』を指定の地域に届ける」「麻薬の普及を止める」などの条件が四ツ谷たちに課されます。

普通、異世界転生モノでクエストの攻略というと、「特定のモンスターを倒す」「希少なアイテムをゲットする」というのが王道です。

しかし、本作はそんなわかりやすく甘っちょろいものではありません。

このようなクエストを突きつけられた四ツ谷たちは、『荷物』とは何のことを指すのか、麻薬が普及している原因は何なのか・・・ということを考えさせられます。

与えられる能力が弱い

普通異世界転生によって与えられる能力は、無双できるような強さを誇ります。

しかし、主人公たちに与えられる力は小さい風を起こす魔法や、農民という職業など、ハッキリ言って弱いです。

また、箱崎は剣を扱う職業を与えられますが、体が弱いので、重い剣を振るうことができません。

普通体力がないキャラクターは魔法など、力がなくても活躍できるような能力を与えられますが、そんなご都合主義は本作では起こりません。

失敗が多い

クエストのクリア条件が曖昧で、味方の能力が低い結果、何が起こるかというと、失敗が多くなります。

箱崎は最初、戦闘では全く役に立たず、事実上、四谷と新堂だけでモンスターを倒します。

また、四ツ谷も敵との交渉に失敗し、仲間に尻拭いしてもらうこともあります。

リアルの人生には失敗がつきものですよね。漫画ながらそんなことを実感させられます。

失敗を重ねながら困難を乗り越える主人公たち

このように、本作では難解なクエストに、十分な力が与えられないまま主人公たちは挑み、失敗しながら力を合わせてなんとかクリアしていきます。

・・・これってなんだか私達の現実の人生に似ている気がします。

少年漫画は自分にあった能力、ちょうどいいレベルの試練が与えられて順調に成功していくパターンが普通です。主人公が努力する様子に勇気づけられるものです。

しかし、本作のような、理不尽や無駄が多いなか足掻いて成長していく彼らも、それはそれで私達に勇気をくれます。

理不尽な現実に立ち向かう勇気をくれる作品

また、クエストに挑むキャラたちは性格や能力も様々です。

新堂のようにそこそこ起用で努力もして、まあまあ活躍する人もいれば、箱崎のように力が足りず大したことができないが、努力と工夫で少しずつできることを増やす人もいます。

なかには、四谷のように、明らかな変人なのに鋼のハートで大活躍するキャラもいるでしょう。

そういうところもなんだか現実に似ています。

このような感じで「100万の命の上に俺は立っている」は、ファンタジー漫画ながら私達に現実を突きつけ、でも勇気を与えてくれるような物珍しいタイプの漫画です。

とにかく普通ではないマンガを読みたい人にオススメ

以上、「100万の命の上に俺は立っている」の紹介でした。

無双度:★★
ハーレム度:★★★
ギャグ度:★★
シリアス度:★★★★
色気度:★
バトル度:★★★★★
スローライフ度:★

色んな意味で「変わった」マンガを読みたい人にオススメ

力のない主人公たちが、知恵と工夫で成功していく姿が好きな人にオススメ

フィクションの世界によくある「ご都合主義」が嫌いな人にオススメ

RELATED POST