異世界漫画に限らず、少年漫画では家族と一緒に冒険する展開は多くありません。
家族や故郷を離れ、一人で旅に出て仲間と出会うというのが王道ですが、逆に家族と一緒に冒険したり、家族と一緒に過ごすような展開の作品もあります。
今回は、毎日365日異世界漫画を読んでいる私が、家族がメインキャラになっている異世界漫画のうち、おすすめの作品をまとめました。
Contents
ゲーム オブ ファミリア-家族戦記-
作品特徴
登場家族:義母・義姉妹
家族のキャラクター:ハイスペックで勇者扱い
家族とのかかわり方:主人公が陰ながら支える
主人公は陰キャで地味な青年と思いきや、とんでもない化物
主人公の高校生、支衛(ささえ)は、超ハイスペックな義母と義姉妹と生活しており、彼女達と異世界に転生させられてしまいます。
ハイスペックな彼女たちは、異世界で勇者の資質が見出され、国を守るために活躍することを求められ・・という展開です。
本作は「才色兼備な女性達に対して、平凡な主人公」という見せ方をしてきます。
しかし、それはとんでもないミスリードで、彼女たちが勇者として無双するという展開が始まるのかと思いきや、本作で本当に無双するのは主人公の支衛です。
彼は女性達を守るために、自分の片目などを犠牲に、強力な魔法の力を自分の手に収めます。
表舞台としては、勇者となった母や姉妹たちが活躍する形になりますが、支衛がそれを陰でサポートするという展開になります。
このように、家族で転生し、活躍する母や姉妹たちを支える、強くて家族思いの主人公という設定にはなりますが、本作の面白いところはそのような温かい家族愛ではありません。
主人公の支衛は、全く普通の高校生ではない、とんでもない化け物です。
彼らが異世界で対立する相手は、魔物や敵国など、狡猾なものたちばかりです。
しかし、支衛は彼らを上回る狡猾さで、相手を陥れていきます。
それはなかなかのダークヒーローぶりで、悪は容赦なく叩き潰し、小悪党はその弱みを握り利用します。
さらに支衛には、女性を手篭めにする能力を持っており、相手の国の王妃や愛人などを自分に惚れされ、有利な情報を引き出します。
そんなブラックな部分が目立つ彼ですが、「家族達を支えていきたい」という純粋愛はあり、それが随所に表れます。
ダークヒーローだけではない一面が見られ、主人公の人間性に深みを持たせているところも本作の面白いところです。
ちなみに、支衛が女性を手籠めにさせる能力を持っていたり、策略を巡らせていることは母や姉妹は知りません。
彼女たちには「普通の優男」という印象を崩さず、陰で異世界の悪党を陥れるブラックさのギャップも、本作の面白いところです。
オススメポイント
ハイスペック美女な家族たちと冒険
魔法から知略までなんでもこなすチート主人公
敵のずる賢さを上回る狡猾さで敵を陥れるダークヒーローぶり
冒険に、ついてこないでお母さん!
作品特徴
登場家族:義母
家族のキャラクター:異常な息子バカで過保護
家族とのかかわり方:主人公の冒険に過剰に干渉
若くて美人だが強すぎて冒険を台無しにしてくるお母さん
ファンタジー世界で生きる主人公のリュージは、15歳になった日に、母親のもとを離れ、一人で冒険に出る決意をします。
しかし彼の母親は、リュージを溺愛する、神クラスの力を持った伝説の邪竜であり・・という展開です。
本作は、典型的な「息子を溺愛する母親とそれに振り回される子供」のパターンです。
しかし母親の溺愛ぶりと、その戦闘能力の描写が飛び抜けており、かなり笑えるギャグ漫画になっています。
別れを告げられたショックで混乱のあまり衛星を破壊したり、息子の姿が見えないとなると追尾機能付きの瞬間移動で息子のもとに現れるなど 、色々とチートです。
結局二人は一緒に冒険の旅に出ることになるのですが、過保護で強力な戦闘力を持つ母親が、チートクラスのバフをかけたり、先回りして敵を倒してしまうなど、息子の冒険を台無しにしてしまうというお約束的な展開が楽しめます。
また、本作の魅力はこのような王道的な母馬鹿展開だけではありません。
画力が高く、若くて綺麗な母親がキレイに描かれています。
母親のカルマアビス(本当は邪竜のなので禍々しい名前です)は、息子であってもその美しさや可愛さに見とれてしまうことがあるくらいの美人さです。
(出典:「冒険についてこないでお母さん」)
また、キャラの描き分けの能力もうまく、カルマを清楚な美女に描いたり、思いっきりデフォルメして描いたりしています。
それがギャグシーンと普通のシーンのギャップを強く演出し、ユーモアに磨きをかけています。
このように典型的なパターンの作品ではありながら、母親の溺愛っぷりとチートっぷりが飛び抜けており、それが綺麗で巧みな絵のタッチで描かれています。
そのため、このタイプの作品が好きな人でも、そうでないタイプのそうではない人でも、世界ファンタジーものが好きであれば、是非オススメしたい作品です。
オススメポイント
母親の過保護ぶりと強さが突き抜けているギャグマンガ
若くて美人な母と一緒に(付きまとわれて)冒険
シリアスとギャグを巧みに描き分ける画力
冒険者ライセンスを剥奪されたおっさんだけど、愛娘ができたのでのんびり人生を謳歌する
作品特徴
登場家族:少女を助け、娘として共に冒険
家族のキャラクター:ピュアなよい子
家族とのかかわり方:だんだんと本当の家族のように仲を深める
放浪の旅でモンスターを助けたら、娘を拾っていました。
かつて勇者パーティー支えた魔道士のダグラスは、魔法を使うと最大HPが減るという奇病にかかったことから、冒険者ライセンスを剥奪されてしまいます。
行くあてのない放浪の旅の道中、傷ついたモンスターを助けようとしたダグラスですが 、そのモンスターは、少女が呪いによって変えられた姿であることに気づき・・という展開です。
本作は、「ざまぁ系」と呼ばれる、勇者パーティーを追放された主人公が、実は最強の力を手に入れて無双するという展開です。
主人公のダグラスは、かつては強力な魔導師でしたが、少女を助ける過程で、自分のかつての力を取り戻します。
力を取り戻した彼は、昔のように冒険者として大活躍する・・というのではなく、出会った謎の少女と、一緒に旅をすることになります。
その少女ラビとは、娘と父のような関係性になり、血のつながらない父と娘の心の交流を描くという展開が、本作のメインになってきす。
普通の異世界漫画だと、力を取り戻した主人公が、かっこよく活躍することがメインになってきますが、そこをあえて外し、父娘の愛情をメインにおいたところが珍しいです。
ダグラスとラビは、 父として・娘として互いにどうすればいいかわからず、遠慮がちな接し方をしてしまい、それがすれ違いを生むことになります。
また、ラビへの悪影響を避けて依頼を断ったはずが、「なぜ困った人を助けないのか」と逆にラビから反抗されたりします。
このような親子間の交流が強く描かれており、心が温かくなるような展開がたくさん見られます。
冒険やバトルが楽しめる作品ですが、合間あいまで家族愛にほっこりできるという魅力もあります。
オススメポイント
追放後に本来の力を取り戻して最強になる「ざまぁ系」的展開
魔法の力で無双しながら放浪の旅
血のつながらない娘と父が仲を深める家族愛が読める
実は俺、最強でした?
作品特徴
登場家族:妹
家族のキャラクター:ヒーロー好き
家族とのかかわり方:ベッタリ懐かれ、振り回される
可愛い妹に愛されつつも振り回される
引きこもりニートだった主人公は、いきなり異世界に転生することになり、チート能力を与えられます。
しかし国王の子息に転生した彼は、 能力が低いという理由によりに森に捨てられてしまい・・という展開です。
本作は、圧倒的な力を手に入れたはずの主人公が、その強さが理解されず追放されてしまうという展開から始まります。
あまりに強すぎるため、その能力が異世界の基準では測ることができず、最弱と見なされてしまいます。
しかし主人公の能力は圧倒的で、赤ん坊の状態からモンスターを圧倒するほどの力を持ちます。
そんな本作の一番の特徴は、妹キャラクターとの関わりです。
主人公は、運よく貴族の家に拾われることになりますが、そこに登場するのが妹のシャルロッテです。
彼女は、初めこそ主人公のことを警戒していましたが、 ピンチを助けられてからは 完全にベッタリ状態になります。
部屋に入る時も一緒、寝る時も一緒、お風呂に入るときも一緒です。
本作は、絵のタッチも丸みを帯びていて可愛らしさがあり、シャルロッテの魅力が目立っています。
セリフもすべて平仮名で、それがまた一層可愛らしさを引き立たされています。
そんなシャルロッテは、主人公の見せるアニメにハマり、正義の味方に憧れる彼女にせがまれて覆面ヒーローをするなど、彼女に振り回される展開が楽しめます。
このように、入りは一般的な異世界転生マンガと同じですが、冒険の旅に出るという様な展開ではなく、妹との関わりを軸にしたギャグ多めのドラマが本作の特徴です。
今後の展開によっては、妹以外のキャラクターがメインヒロインになってくる可能性もありますが、序盤まででもシャルロッテの可愛らしさが巧みに描かれているため、妹キャラが好きな人はかなりオススメできます。
オススメポイント
最強のはずなのに捨てられてしまうという不遇展開
丸みが強調される絵のタッチで可愛く描かれる妹キャラ
可愛らしい妹にベッタリ愛される展開
戦鬼と呼ばれた男、王家に暗殺されたら娘を拾い、一緒にスローライフをはじめる
作品特徴
登場家族:娘
家族のキャラクター:純粋でかわいい娘
家族とのかかわり方:親として見守る
「戦鬼」と恐れられた男が、娘との出会いで変わっていく
戦争で数々の戦果を誇り、戦鬼と恐れられた傭兵のオードルは、戦争が終わったところで、その強さを妬まれ、襲撃されます。
追っ手を交わして田舎に帰ることにしたオードルのもとに、自分のことを「父」として慕ってくる5歳の娘・マリアが現れ・・という展開です。
本作は、最強の強さを誇る主人公が、辺境でスローライフをする展開の作品ですが、そこに子育て要素も加わってくる作品です。
村に降りかかる厄介ごとをその強さで解決したり、オードルを追って美少女の騎士がやってくるなど、辺境でのスローライフを堪能できるほか、そうした出来事を通じて、マリアとオードルが心を通わせる展開が楽しめます。
子育てや子供とのかかわり方など全くわからないオードルですが、だんだんとマリアと距離が近づいていく様子にほっこりします。
また、マリアの可愛らしさも本作の一つの魅力で、強面で威圧感があるオードルにもひるまずに、無邪気に笑いかけたり、慕ってくる様子に癒されます。
そんなマリアとかかわる中で、戦鬼と恐れられたオードルの価値観が変わっていく様子が楽しめるのも本作のだいご味でしょう。
ちなみに、魔法の素質があるマリアは、周りに勧められ学園に通うようになり、彼女の学園生活が描かれるようになります。
そこにオードルも同伴することになり、娘の集団生活を見守る父親という展開も楽しめるようになります。
異世界漫画で学園生活は一つの王道展開ですが、親同伴のパターンはほとんどなく、珍しい学園展開を見られるという意味でもオススメの作品です。
オススメポイント
最強の主人公が田舎でスローライフ展開
無邪気で明るい5歳の娘に癒される
親同伴の学園生活という珍しい展開が楽しめる
冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた
作品特徴
登場家族:娘・父
家族のキャラクター:Sランク冒険者の娘と歴戦の冒険者の父
家族とのかかわり方:ファザコン娘に困惑する父
魔王を倒したSランク冒険者は、極度のファザコンでした。
渋さが光る元冒険者である父と、魔王を倒すまでの冒険者になった娘を軸に始まるストーリーです。
娘のアンジェリンが極度のファザコンなのが面白いところで、いい歳した娘なのに、父親にハグや頭なでを要求するほどです。
バトルになればドラゴンを一刀両断するほどの強さなのに、子供のように父親におねだりするギャップが楽しめます。
また、父親のベルグリフは、元冒険者でアンジェリカほどではありませんが、歴戦の経験があり、戦闘になればしっかり活躍します。
心もおおらかで強く優しく、頼れるキャラで、娘以外のキャラからも、そこそこモテる展開になります。
このように、それぞれに魅力のある父と娘が、ともに旅にでて、色々な事件を解決する展開が楽しめます。
父と娘が冒険する展開の作品はありますが、ともに成人していて、しかも娘が作中最強という展開は珍しいです。
戦闘になれば娘が最強になりますが、ファザコンで甘えてくる娘を父がたしなめたり、娘の成長をしみじみ感じたり、時には父が精神的な支えになるなど、冒険要素の中に時折り家族愛が見られるところが、他の作品にはない大きな魅力でしょう。
オススメポイント
娘が作中最強キャラという珍しい展開
渋い父親のカッコよさが楽しめる
冒険するなかで垣間見られる家族愛にほっこりする
通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?
作品特徴
登場家族:母親
家族のキャラクター:過保護・息子バカ
家族とのかかわり方:主人公の異世界生活に干渉して美味しいところをもっていく
色々な母と子の形を見られる異世界転生劇
主人公の真人は、ゲームやアニメの世界に憧れる学生ですが、彼の若い母親・真々子が過保護気味なことが悩みでもあります。
そんな時に、憧れていた剣と魔法のファンタジー世界に転生することになりますが、そこになぜか母親もついてきて・・という展開です。
本作は典型的な異世界転生漫画の設定で、転生してきた主人公がチート能力を得ることになります。
しかし、一緒に転生されてきた母親が、それを遥かに上回るチート能力の持ち主で、いいところを全部母親に持っていかれてしまうというコメディ展開が楽しめます。
また、美人な母親が主人公に過保護気味で接しており、母親タイプのヒロインが好きな人には楽しめる作品になっています。
ちなみに登場人物は、主人公と母親だけではなくツンデレ気味な魔法使いの美少女など、主人公と行動を共にするキャラクターが登場します。
また、本作の特徴は、主人公だけでなく、色々な転生者が母親とともに転生してくるという点です。
真人以外にも色々なキャラとその母親が登場し、色々な関係を見せてくれます。
真人と真々子みたいに子離れできていなかったり、自分の理想を娘に押し付ける毒親だったり、色々な親子の関わりが見られます。
ともすると重いテーマになりがちな時もありますが、コメディタッチで描かれるので楽しく読むことができます。
オススメポイント
子離れできてない美人な母親がベッタリしてくる異世界生活
美味しいところは全部母親にもっていかれる哀しい主人公
色々な親子間の形が見られる
なんだかんだで家族は仲良し
以上のように、家族がメインキャラとして登場する異世界漫画のうち、おすすめの作品を紹介しました。
色々な家族関係がありますが、 やはり家族愛がテーマになり、なんだかんだで仲良く冒険していく展開が楽しめます。
そのため、他のテーマの作品よりも心温まる展開が多いところが魅力と言えます。