異世界転生マンガでは、主人公だけが異世界に転移することが普通ですが、なかには学生の主人公で、クラスメイト全員ごと転生する作品もあります。
クラス内での立場やキャラクターが、そのまま転生後の能力に反映されることもありますが、その逆で、目立たないキャラだったのに最強の能力を得ることもあります。
単純に自分だけが転生するよりも、複雑な人間関係が生まれるため、それが作品の魅力になる効果が期待できます。
今回は、毎日365日異世界漫画を読んでいる私が、「クラスメイトごと転生する」異世界転生漫画のうち、特にオススメの作品をまとめました。
Contents
暗殺者である俺のステータスが勇者よりも明らかに強いのだが

作品特徴
主人公のキャラ:目立たず影が薄い
クラスメイトとの関係:こっそり抜け出す
無双度:かなり多め
なぜか勇者より強い主人公が、国王の陰謀を暴く。
クラスメイトが丸ごとファンタジー世界に召喚され、 集団で魔王に立ち向かうような使命を受けます。
クラスでは目立たない存在であり、誰かとつるむ・・ということもない主人公のアキラは、「暗殺者」という職業を得ます。
しかし、自分のステータスを見てみると他の生徒より異様に高く、勇者の職業を得ている元生徒会長よりも高いことがわかり・・という展開です。
本作では、クラスが丸ごと転生し、自分だけが飛びぬけて強いという無双展開になりますが、その状況でのんきに無双するのではなく、自分の力を隠して様子を見るところが面白いです。
クラスごと転生する場合、主人公はクラスメイト達とは別行動をとる展開が多いですが、本作もそのパターンです。
自分たちを召喚した国王や王女の様子が怪しく、自分たちが利用されている可能性にも気づき、王国からこっそり抜け出すという展開になります。
そんなクラスメイト達ですが、全てのキャラが有象無象の存在ではなく、一部はキャラがしっかり作られています。
例えば、勇者の職業を得た生徒会長は、実はアキラにコンプレックスを抱えており、彼をライバル視していました。
他にも、アキラと仲が良かった数少ないクラスメイトも強めの力を持ち、王国に疑問を抱くようになります。
本作は、アキラの視点での冒険の旅がメインになりますが、彼らとの関係がどうなるかというところも楽しみになっています。
また、アキラは職業が暗殺者で、使う魔法は闇系の魔法・武器は刀のようなものなので、厨二的な雰囲気が漂っています。
しかも彼は、クラスでも友達とつるむことをしない性格なので、こういうキャラが好きな人にはたまらないでしょう。
オススメポイント
目立たないキャラなのに、元生徒会長より圧倒的に強い主人公
怪しい国王や王女の手からこっそり抜け出す主人公
暗殺者・闇魔法使い・武器は刀という厨二的主人公
ありふれた職業で世界最強

作品特徴
主人公のキャラ:平凡で優しい→ドライなダークヒーロー
クラスメイトとの関係:何者かによって一人はぐれてしまう
無双度:かなり多め
物静かで地味な少年が、最強のダークヒーローに変身。
人生においてゲームをすることを最重視する学生の南雲ハジメは、クラスごと異世界に召喚されてしまいます。
もともとクラスで目立たない存在の彼に与えられた職業は、「錬成師」という鍛冶職人のような地味なものでした。
そんな彼が最初の遠征で、とあるクラスメイトの陰謀により、一人だけ離れ離れになり、過酷なサバイバル状態になるという展開です。
主人公のハジメは、もともとクラスの中で目立つ存在ではないものの、なぜかヒロインに好かれるポジションに立っています。
異世界で与えられた職業も、鍛冶職のような戦闘向きではない立場で、しかも能力値も至って普通です。
そんな異世界でも目立たないハジメですが、物語序盤でそれが一変します。
策略によって、何者かに洞窟の奥に落とされ、モンスターに襲われ、生きるためにモンスターを食べてやり過ごすという過酷な状況になります。
そこで力をつけたハジメは、無双&ハーレム状態になる・・という異世界転生マンガの王道展開が楽しめます。
本作の面白いところは、どこにでもいそうな普通の少年が一気にキャラ変して、ダークヒーローになるところです。
クラスメイト達から離れた彼は、彼らを召喚した国王たちの意思など関係なく、異世界の深淵に触れるべく旅を始めます。
そのなかで、かつてのクラスメイト達と出会いますが、ハジメの完全無双状態で、クラスメイト達が主人公の引き立て役にしかなっていません。
このように、クラス内の強烈な立場逆転のような展開が楽しめます。
クラスメイトとハジメが比較されることで、普通だった主人公がいかに劇的に変わったのか、ということがはっきりわかるのが本作の大きな魅力です。
オススメポイント
目立たないキャラなのになぜかクラスのマドンナに好かれる主人公
過酷な経験によってダークヒーローに変身
自分より強いはずのクラスメイトをあっさり逆転
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで

作品特徴
主人公のキャラ:ごく普通の少年
クラスメイトとの関係:陥れられたことで復讐を狙う
無双度:最初は少な目
状態異常スキルでクラスメイトへの復讐を誓う
クラスメイトたちが一斉に異世界に召喚され、固有のスキルとS級勇者やA級勇者といった称号が付与される中、三森灯河は、「状態異常スキル」とE級勇者という最弱の能力が与えられてしまいます。
そんな灯河に対して、召喚した女神は彼を「廃棄」処分しようとし、クラスメイトもそれに賛同します。
ダンジョンの奥深くに飛ばされた灯河ですが、女神とクラスメイト達に復讐する決意をした彼が生き延びていくという展開です。
本作の主人公は、最弱の能力を与えられ、女神から見放されるという理不尽な扱いを受ける不遇な境遇になります。
しかもそれだけではなく、同時に転生されてきたクラスメイト達にも同じように見放されてしまいます。
女神によって陥れられる主人公に対して、かばってくれるキャラクターはいるものの、大半のクラスメイトが彼を見下し、周りの空気に同調し、主人公を陥れることに加担してしまいます。
このような経緯を経て、主人公にとってクラスメイトが復讐相手になっていきます。
クラスごと転生する異世界転生では、他のクラスメイトはあまり良いキャラとして描かれることは確かに少ないのですが、ここまで明確な悪役になるというのは珍しいです。
しかしながら、最初から簡単に無双できるような展開ではなく、「状態異常」というマニアックなスキルを使い、だんだんと成長していく過程が描かれます。
普通はあまり使えないスキルを、いかに使いこなして無双するか・・という部分がじっくり描かれており、主人公が強くなり復讐を果たすまでの経過を楽しむことができます。
クラスメイトは女神の加護を受け、他の異世界転生モノの主人公のように、物理攻撃や魔法能力のように、正統派で強くなることが予想されます。
そんな彼らに対して、状態異常というスキルを持つ主人公がどのような形で逆転するのかという展開を楽しみにさせてくれる作品です。
オススメポイント
女神やクラスメイトから見捨てられる主人公
状態異常というマイナースキルで無双する展開
クラスメイトへの復讐展開
即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。-ΑΩ-

作品特徴
主人公のキャラ:クラスでは目立たない、浮世離れした青年
クラスメイトとの関係:基本的に敵対する
無双度:最初から完全無双
チートなクラスメイトを、それ以上のチートでねじ伏せる。
修学旅行中に移動中のバスごと転移された学生たちは、それぞれ女神から職業の能力を与えられます。
しかし、ヒロインの千景と主人公に夜霧にはチート能力が与えられず、クラスメイト達に見放され、ドラゴンのエサにさせられてしまいます。
しかし、クラスメイト達に与えらえたチート能力を軽々超える、「相手を即死させる」というチート能力をもともと持っていた主人公の夜霧は、ドラゴンをあっさり返り討ちにし、千佳と二人で異世界を旅する・・という展開です。
クラスごと転移する設定の作品では、主人公一人だけが別行動になるというパターンが普通ですが、本作では、ヒロインである千佳もクラスメイトという点が珍しいです。
また本作では、物語の序盤から、主人公が苦労なく最強の即死チート能力でフルボッコにしていく展開が楽しめます。
クラスで転生する場合は、なんらかの不遇な扱いを受け、そのあとに徐々に逆転するというケースが多いですが、本作は、そういう展開はほとんどなく、強い敵でも即座にやっつけるという爽快展開です。
また、本作では、クラスメイトがわかりやすいほどの悪役になっており、これも珍しいです。
クラスメイトが転生する作品では、彼らが主人公を小ばかにするくらいのヒールになることはありますが、現代社会の価値観が基本になっているので、異世界人を支配するような行為は少ないです。
そんななか、本作のクラスメイト達は、勇者、支配者というチート職業を与えられ、見事にその力におぼれて千佳達を襲います。
このタイプの作品では、クラスメイト達は主人公の引き立て役になることが多いですが、本作は特にそれがあからさまで、より爽快感が強い作品になっています。
オススメポイント
クラスメイトのヒロインと二人旅
即死させるという究極のチート
卑劣なクラスメイトを爽快に屠る展開
四度目は嫌な死属性魔術師

作品特徴
主人公のキャラ:地味で大人しい青年
クラスメイトとの関係:転生した先で殺されてしまう
無双度:最初は少な目
人体実験・母親を殺される不幸から始まる物語
修学旅行中に事故にあい、クラスごと転生してしまった主人公は、他のクラスメイトとは違い、自分だけ何の加護も与えられずに転生させられてしまいます。
そこでは過酷な人体実験に遭い、壮絶な人生を歩んだ挙句、また死亡してしまい、再び転生することになります。
三度目の人生を迎えた主人公ですが、生まれて早々に母親を殺されてしまい、また不幸な境遇になりますが、二度目の人生で目覚めた「死属性」術で、成り上がっていく・・という展開です。
クラスごと転生してしまい、自分だけ不遇な扱いをうけるというのは、他のクラスごと転生する作品と同様の展開ですが、本作の主人公はその不遇度合いが飛びぬけています。
それからもやっと逃れたと思いきや、クラスメイト達と対立してしまい、彼らに殺されてしまい、さらに転生することになります。
普通の異世界転生モノでは、最初は不遇な境遇になる主人公は、のちに大成してクラスメイトと逆転する現象が爽快なのですが、それもないまま不幸状態が続きます。
三度目の人生では、ゆっくりではあるもののだんだん力をつけていきますが、クラスメイトとは二度目の人生で別れてしまったので、彼らとの絡みが見られる雰囲気はありません。
そのため、クラスメイト達は、主人公がいかに辛い境遇かということを示すための存在になっており、他の作品では見られにくい位置づけになっています。
このように、本作は全体的に派手な無双&ハーレム展開はなく、どん底まで落ちた状態から、少しづつだんだんと力をつけていく展開の作品です。
使う術も「死属性」という術で、死者をゴーストとして従わせるような効果の魔法で、自ら強い魔法をぶっぱななすような強さではありません。
自分自身は幼児のままで、魔法を行使して無双するタイプであり、地味と言えば地味です。
このように、派手さはないですが、力をつけるまでの経緯の不幸さがほかの作人に比べて際立っており、ささやかながら力をつけていく主人公を、応援したい気持ちにさせてくれる作品です。
オススメポイント
これ以上ないほどの不遇な主人公
死属性魔術という珍しい能力
ゆっくりと力をつけ、だんだんと無双する展開
ニトの怠惰な異世界症候群 ~最弱職<ヒーラー>なのに最強はチートですか?

作品特徴
主人公のキャラ:いじめられっ子
クラスメイトとの関係:いじめを受け、転生後も見下される
無双度:だんだんと無双する
理不尽な仕打ちに遭う主人公の怒りと復讐が丁寧に描かれる
クラスメイトと転生する場合の主人公は、クラスの中ではモブキャラということが普通です。
そんなモブキャラの主人公が、異世界で、チート無双する逆転劇がこのジャンルの醍醐味です。
本作も同じようなパターンですが、主人公はいじめられており、それが原因で自殺するタイミングで転生するというシチュエーションです。
そんな主人公は、転生してもヒーラーという、その世界では最弱とされる能力を与えられます。
さらに、前世と同じように周りから馬鹿にされ、ダンジョンの奥深くに飛ばされてしまいます。
しかしあまりに理不尽な仕打ちに怒りのエネルギーが湧き、今度はたくましく生き延びる中で、一撃必殺の力を手に入れるという展開が待っています。
このように、主人公への理不尽な仕打ちと、それに対する怒り、そして苦しみながらもチートを手に入れるという序盤の流れが丁寧に描かれているところが見応えがあります。
オススメポイント
壮絶な前世で転生後も最弱の能力
理不尽な仕打ちに負けずに復讐する展開が楽しめる
異世界漫画のなかでもシリアス寄りな設定
クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。

作品特徴
主人公のキャラ:いじめられっ子
クラスメイトとの関係:強さがばれないように偽装する
無双度:かなり多い
気軽に無双&ハーレムが楽しめる
異世界転生を繰り返し、チート能力を手にした主人公が、今度はクラスごと転生してしまうところから話が始まります。
すでにチート能力を持っていて、他のクラスメートより明らかに強い主人公は、それがばれないように最弱の職業とされる商人に偽装します。
クラスメイトに比べて、自分だけが弱いというシチュエーションは、このパターンの王道展開です。
結果、他のクラスメートから馬鹿にされますが、もともとチート能力持ちの主人公なので、すぐに無双する展開が楽しめます。
また、最初からクラスメイトの女の子達とハーレムパーティを組むことができ、順調にモテていきます。
クラスメイトごと転生という、ちょっと変化球気味のシチュエーションですが、早いうちから王道の無双&ハーレムが堪能できます。
ストーリーにも大きな動きはなく、難しく考えずに異世界の冒険が楽しめます。
オススメポイント
ステータスを偽装する展開
バカにされるがすぐに無双して見返せる
ハーレム展開も楽しめ、異世界転生の王道を気軽に読める
現実の学校生活の息苦しさから解放してくれる
クラスごと転生する異世界転生漫画の注目作品を紹介してきました。
このような作品では、主人公がクラスメイトの集団の中で活動するのではなく、そこから分かれて独自で動くのが基本パターンです。
一般論として、「学校は楽しいところ」だという考えが多いですが、その一方でクラス内での力関係や、面倒臭い人間関係というのも確かに存在します。
異世界転生マンガでは、このようなクラスメイト達との面倒臭さから読者を解放してくれる疑似体験をさせてくれる魅力があるのではないかと思います。
また、最初はクラスメイト達から見下されたり見捨てられるような主人公が、チート能力や過酷な経験によってあとから逆転する展開も多いです。
学校での人間関係に面倒臭さを感じている人は、ここで紹介したような作品を読んでみるのもいいかもしれません。