剣と魔法のファンタジー世界では、モンスターとして「スライム」が有名です。
スライムは、「ドラゴンクエスト」で最初に出会うモンスターの代名詞で、かわいい見た目も相まって、誰もが知っているキャラクターと言ってもいいでしょう。
同じような世界観が舞台になる異世界漫画でも、色々な姿形のスライムが登場します。
テンプレ通り弱めのモンスターとして出会うパターンだけではなく、主人公がテイム(従わせる)して行動を共にするケースもあれば、主人公がスライムそのものに転生するという場合もあります。
今回は、毎日365日異世界漫画を読んでいる私が、スライムが活躍する異世界漫画でオススメの作品を紹介します。
Contents
転生したらスライムだった件

作品特徴
スライムの立場:主人公(転生対象)
スライムの数:一匹
スライムの特徴:様々な能力を持つ最強のスライム
史上最強のスライムが異世界で大活躍
現世で平凡なサラリーマンだった三上悟は、通り魔に刺されてしまい、異世界に転生します。
そこで、この世界についての知識をなんでも教えてくれる「大賢者」と、天災級のドラゴンであるヴェルドラを取り込み、無双しながらだんだんと自分の国を作り上げていくという展開です。
本作は、異世界転生マンガとして非常に有名な作品で、異世界漫画界における大御所と言ってもよい作品だと私は思います。
異世界転生マンガとしては歴史が古い作品であり、このジャンルの火付け役にもなっているのではないでしょうか。
アニメ化もされており、スピンオフ作品もたくさん出ています。
本作は、「剣と魔法のファンタジー世界に転生する」「異能力で無双&どんどん成長する」「美少女キャラたちにモテモテ」「現世の知識で国を興して経済発展」というような、現在の異世界漫画の王道になる要素をいくつも持っています。
しかもそれらをしっかりと描いており、「ご都合主義」と非難されてしまいがちなこのジャンルでも、違和感なくどんどん読み進めてしまう魅力があります。
また、「スライムに転生する」という一見奇抜な設定ですが、相手の取り込んでその能力を奪うという「捕食者」というスキルで、どんどん強くなり、スライム=最弱というイメージを見事に覆しています。
そして、可愛いスライムなのに最強・・というギャップもうまく描いています。
また、主人公だけではなく、他に登場するキャラクターも個性豊かです。
強力な力を持つ天真爛漫な幼女の魔王や、うっかりもののゴブリンなど、色々なキャラクターが楽しませてくれます。
また、他の強力な能力を持つ異世界転生者が現れ、それに苦しめられるという展開もあり、多彩なキャラクターが色々な展開を見せてくれます。
キャラクター、ストーリー展開がしっかり作りこまれており、これだけ作品が多い異世界漫画のなかでも、特に人気の作品です。
オススメポイント
押しも押されぬ異世界転生マンガの代表作
スライムの常識を覆す強さ
他にも魅力的なキャラクター達
とんでもスキルで異世界放浪メシ

作品特徴
スライムの立場:仲間
スライムの数:一匹
スライムの特徴:意思疎通もできてそこそこ強い
料理でスライムやフェンリルがテイムされて無双状態
勇者召喚に巻き込まれる形で、異世界に転移してしまった現代人のムコーダは、異世界を自力で生きていくすべを探します。
彼にはなぜか「ネットスーパー」という不思議なスキルがあり、現世のスーパーで買えるものを、異世界に呼び出せるという能力が備わっていました。
そうした力を活用し、おいしい料理をつくったり、その料理につられたモンスターをテイムして冒険するという展開です。
本作では、主人公ムコーダと行動を共にする、「スイ」というスライムが登場します。
スイは、一匹の自我を持ったスライムで、最初こそ、ともに行動するフェンリルの陰に隠れている印象ですが、だんだんと凶悪なまでに強くなっていきます。
しゃべることも可能で、主人であるムコーダと話すこともでき、天真爛漫な性格がかわいらしくて魅力です。
準主人公的な位置づけで、戦闘能力も高く、キャラも立っているため、魅力的なスライムキャラを読みたい人にはオススメです。
本作は、冒険しつつムコーダの作る料理を楽しむグルメジャンルで、彼の作る料理に、異世界人だけでなく、フェンリルやスイ、果てには女神までが虜になる様子が面白い作品です。
グルメだけでなく、冒険者としてムコーダやスイの成長要素もあり、その要素も楽しめます。
現世の一般人で、平均的な日本人の能力しかないムコーダは、戦闘面での成長はからっきしですが、それに反してスイは順調に成長していきます。
最初はかわいいだけの彼ですが、すくすくと強くなる姿に愛情を感じる読者も多いかもしれません。
このように、異世界を旅して、魅力的な仲間たちと成長しながらグルメを楽しむ・・という展開が楽しめる作品です。
オススメポイント
天真爛漫でかわいいスライムが仲間に
だんだん成長して凶悪な強さに成長
異世界人が虜になる料理が作られるグルメマンガ
全時空選抜最弱最底辺決定戦

作品特徴
スライムの立場:仲間
スライムの数:一匹
スライムの特徴:女性に擬態。意思疎通はほとんどできない。
最弱の主人公と最弱のスライムがともに逃げ回る
人生で辛いことから逃げ続けてきた男、吉澤ヒトムが異世界転生してしまいます。
何のチート能力を授かることもなく、同じように色々な世界から呼ばれてきたキャラたちと殺し合いをさせられます。
そこは、いろいろな時空から呼ばれた弱い者たちのなかでも、最も弱い「最弱者」を決定する戦いだった・・という展開です。
完全な変化球の異世界転生モノで、無双&ハーレムとは程遠い、主人公が倒されたり逃げ回る展開ばかりの作品です。
本作ではスライムが、主人公と同じような、弱いキャラの象徴として登場します。
主人公と一緒にこの世界の追手から逃げるという、仲間の立ち位置ですが、しゃべることはなく、自我があるかどうかもよくわからないという、なんとも愛着をもちにくいキャラクターです。
しかしながら、主人公のヒトムがかつて好きだった女性の姿になり、妙に色っぽい、ヒロインのようなポジションにもなっています。
いずれにせよ、他の作品では描かれないようなキャラとして描かれているので、一風変わったスライムを見たい場合にはオススメできます。
作品としては、なんの戦闘力を持たないただの男、しかも現世では嫌なことからひたすら逃げるという「精神的な弱さ」を発揮してきた主人公が、バトルロワイヤル的な環境である異世界で、自分の運命に抗いながら逃げ続けるという展開です。
情けなく逃げる姿がメインですが、ときに機転を利かせてうまくいくこともあり、たまに活躍が楽しめます。
本作は完結していますが、ある程度の活躍はしつつも、最後まで情けなく逃げ回る展開がベースになっており、かなり異色の作品だと言えるでしょう。
スライムのポジションだけでなく、一風変わった異世界転生マンガを読みたい人にオススメできる作品です。
オススメポイント
最弱なスライムが主人公と協力して逃亡
色っぽい女性に擬態
無双&ハーレムとは程遠い展開が新鮮な作品
転生賢者の異世界ライフ

作品特徴
スライムの立場:仲間(テイム)
スライムの数:大量
スライムの特徴:意思疎通ができ、連携して魔法を発動させる。
可愛いスライムの口からドラゴンを滅ぼす魔法が!
ブラック企業の社畜だったユージが異世界に転生され、テイマーという不遇職を与えられます。
しかし、テイムしたたくさんのスライムを使い、大量の魔導書を読むことで、相当な魔法を使える賢者の能力を身に着けます。
そんな彼が、テイムしたスライムなどのモンスターとともに、無双しながら冒険するという展開です。
本作では、スライムは主人公ユージにテイムされる相手として登場します。
一匹ではなく100匹近くの大量の小さくて可愛いスライムで、それぞれが自我を持ってしゃべるタイプです。
そのため、数が多いとはいえ愛着が持てます。
一匹一匹の戦闘能力は高くありませんが、ユージの魔法の能力と組み合わせることで強力な存在になっています。
たとえば、たくさんのスライムを一斉に放つことで、ユージが入れない狭い場所や、彼一人では不可能な広い範囲を一気に散策することができます。
また、転送魔法と攻撃魔法を組み合わせることで、スライムの口から、ドラゴンも即死させるくらいの強力な魔法をぶっ放すことができるため、魔導士にありがちな「近接戦闘に弱い」という難点を見事に克服しています。
このように、スライムを効果的に使役して無双していますが、スライムを使い捨てするようなことはなく、危険からは守るようにしています。
ユージとスライムたちの間の関係も良好で、かわいいスライムたちとタッグを組んで無双する様子が楽しめます。
また、本作にはヒロインらしいヒロインもおらず、テイムしたスライムとプラウドウルフと行動を共にします。
そのため、スライムの可愛さが余計に目立っており、作品内の癒しの要素にもなっています。
このように、主役ではないものの、作中でかなりの存在感を示しており、スライムが活躍するバトル漫画を読みたい人にはうってつけの作品だと言えます。
オススメポイント
テイマー×賢者で最強の主人公
たくさんの可愛いスライムと冒険
スライムと連携して魔法で無双
神達に拾われた男

作品特徴
スライムの立場:仲間(テイム)
スライムの数:大量
スライムの特徴:色々な種類のスライムに進化する
スライムを研究して異世界で快適生活
ブラック企業で激務をこなす竜馬が異世界に転生してしまいますが、そこには三柱の神が彼を迎えます。
生前の大変だった人生をいたわり、異世界では自由気ままに生きるがよいと、彼にとって必要な加護を与えます。
そんな竜馬が、スライムをテイムしながら気ままに生活し、異世界の人たちと交流を深めていくという展開です。
本作ではスライムが、主人公のリュウマにテイムされる立場として登場します。
しかし、スライムたちにはあまり自我がなく、会話もできません。
大量のスライムによってモンスターを倒したり、生活環境を整えたりしています。
また、スライムに与える餌や、彼らをおく環境によって、色々な進化をするようになっています。
このように、リュウマは、スライムとともに生活しながら、彼らの研究に力を注いでいるという関係になっています。
このような設定なので、会話ができたりなどの愛着要素は少ないものの、色々なタイプのスライムが登場したり、他の作品では見られないような活躍をしてくれます。
例えば、糸を作り出すスティッキースライムや、ごみを溶解して処理するスカベンジャースライムなど、個性豊かなスライムが登場します。
本作はバトル漫画ではなく、スローライフよりのジャンルになっており、リュウマが異世界の人たちと交流する様子が描かれます。
そのため、スライム達は、便利な生活を実現するためのパートナーとして色々な活躍をしてくれるという存在になっています。
他の作品に比べてスライムへの愛着は感じにくいところがありますが、他では見られないタイプのスライムが珍しい活躍をしているので、個性豊かなスライムが見られるのが本作の魅力でしょう。
オススメポイント
スライムを使って快適な異世界生活
色々な種類のスライムが活躍
異世界人の優しさに触れるスローライフ展開
ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで

作品特徴
スライムの立場:仲間(テイム)
スライムの数:1匹
スライムの特徴:感知役としてパーティの一員に
シリアスな物語に癒しを与えてくれる「ピギ丸」
本作は、復讐に力が入った作品で、強制的に異世界に転移させられ、ハズレスキルを与えらた主人公が、報復の旅に出るという展開です。
主人公のスキル「状態異常」は、一見使えない能力なのですが、実は成功率が異様に高く、先制さえできれば、麻痺&毒のコンボで無双できます。
本作では、スライムは主人公のお供モンスターとして行動し、主人公の弱点である不意打ちを防ぐための、気配察知的な働きをしてくれます。
見た目はスライムそのもので、人化や会話はありませんが、主人公に懐いている様子が可愛らしいです。
本作の主人公は、現世でも人間関係に苦しみ、異世界でも女神に陥れられるため、悪意や憎しみが強いキャラになっています。
また、理不尽な仕打ちに負けず、力を使いこなして復讐を誓うたくましさが、本作の大きな魅力になっています。
そんな主人公でも、スライム「ピギ丸」には心を許しており、作品内で癒やしの存在になっている様子が楽しめます。
オススメポイント
ドロドロとした復讐展開が楽しめる
気配察知などで主人公をフォローするパーティメンバーとして活躍
シリアスな雰囲気に癒しを与えてくれる存在
モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います

作品特徴
スライムの立場:仲間(テイム)
スライムの数:1匹
スライムの特徴:擬態などの能力で活躍
もふもふ愛犬と小ぶりなスライムが主人公をフォローする
異世界に転生するのではなく、現世の方にモンスターが転移してくるという珍しい作品です。
突然モンスターが溢れる世界になった現世で、主人公は生き残るためにゴブリンたちを倒ししていく・・という展開から始まります。
本作は、他の異世界漫画のように、魔法や剣技ではなく、アイテムボックスに収納した家電をモンスターにぶつけるという、現実的な戦い方が面白いです。
また、世話をしていた愛犬が仲間になり、ともにモンスターを倒していきます。
スライムは、そんな主人公たちの前に現れ、本作のモンスターにしては好意的で、仲間になります。
レッドスライムという種族のため、「アカ」と名付けられたスライムは、スライムらしく擬態能力に長けており、主人公の防弾チョッキに変化するなど、パーティメンバーとして、主人公の弱点を補う活躍をしてくれます。
殺伐とした雰囲気が強い作品ですが、スライムの存在が、愛犬とあわせて作品に癒やしの要素を醸し出しています。
オススメポイント
現世が舞台となっている珍しい設定
家電をぶつけてモンスターを倒すというリアルな戦い方
人懐っこいスライムに癒される
スライムは親しみやすく描きやすい
以上、スライムが活躍する異世界漫画のオススメ作品を紹介してきました。
異世界転生マンガでスライムと言えば、「転生したらスライムだった件」の印象がとにかく強いと思います。
実際、本作は一読の価値がある良作ですが、他にもスライムが活躍する異世界転生マンガはけっこうあります。
スライムはモンスターして知名度が高く、姿も不定形なので、色々な描き方ができます。
だいたいは、平べったい球のような形ですが、「転スラ」や「全時空選抜最弱最底辺決定戦」のように、人の姿に描くこともできます。
また、「スライムといえば弱い」というイメージがありますが、「とんでもスキルで異世界放浪メシ」のように、強いスライムとして描いても、それはそれで魅力的です。
このように、親しみやすいキャラであり、しかも色々な描き方ができるので、今後もスライムが活躍する作品はたくさん登場すると思います。
異世界漫画のような、ファンタジー世界が舞台になる作品では、スライムの存在に注目してみても面白いかもしれません。
