異世界漫画に限らず、料理マンガは、マンガのジャンルの中でも一つの王道です。
料理でバトルするような作品から始まり、日常生活での食事を描く作品もあります。
そんななか、異世界漫画では、現世の調理の知識や、現世の食材を使って大活躍する展開が人気です。
今回は、毎日365日異世界漫画を読んでいる私が、料理やグルメが楽しめる異世界漫画でオススメの作品をまとめました。
Contents
異世界居酒屋「のぶ」
作品特徴
登場料理:居酒屋メニュー
主人公:居酒屋店員や来客
料理以外の要素:ハートフルな人間ドラマ
居酒屋料理だけでなく人間ドラマも味わえる人気作
ファンタジー世界の一角に、居酒屋「のぶ」という食事処があります。
そこは異世界ファンタジー世界では見たことがない料理ばかりで、人々はその美味しさに夢中になります。
実はその料理屋は、現世と異世界がつながっていて・・という展開です。
本作は、現世の居酒屋が、ファンタジー世界と繋がっていた場合にどうなるかという設定が面白い作品です。
料理長(大将)と 、看板娘・しのぶによって切り盛りしている居酒屋に、街を警護する騎士や、司祭、貴族などの、異世界ならではのキャラクターが来店します。
登場するのは、おでんや酒のつまみなど、居酒屋で出てくる料理で、異世界にはないその料理に人々が感動する様子が楽しめます。
本作はこのような居酒屋の料理だけでなく、異世界のキャラクターたちが織り成す人間ドラマも楽しめます。
異世界のキャラクターたちが、恋愛や結婚の相談や、それぞれの悩みが居酒屋で展開されていくという流れになります。
また、貴族や役人達が「のぶ」の店構えや料理を怪しみ、上から目線の品評を始めますが、その美味しさに舌を巻き、態度を変えるという独特の見返し展開も楽しめます。
本作は長く続く人気作で、キャラクターも色々なキャラが登場します。
初めは単話形式のストーリーが多いですが、だんだんと人間ドラマが複雑になってきて、グルメだけではなくヒューマンドラマとしての魅力も強くなってきます。
グルメ要素以外の内容も楽しみたいという人に、オススメの作品です。
オススメポイント
居酒屋料理やお酒が楽しめる
アニメ化もされている長く続く人気作
料理以外にもハートフルな人間ドラマも見られる
異世界料理道
作品特徴
登場料理:異世界の獣肉料理
主人公:現世から来た料理人見習い
料理以外の要素:成り上がり展開
料理の腕で異世界を成り上がる男の物語
現世で父親の料理の店を手伝っていた主人公の明日太は、火事の店に飛び込んで、異世界に転生してしまいます。
そこでは調理という概念がなく、野生の動物の肉を食べる習慣の民族が住んでいる世界でした。
その部族の娘であるアイ=ファに助けられ、一緒に生活することになった明日太は…という展開です。
本作は、現世から異世界に転生してきた主人公が、その料理の腕によって、異世界の人たちの信頼を得て成り上がっていく様子が楽しめる作品です。
転生するのは主人公だけで、食材や調味料などが現世から異世界に持ってこれるわけではありません。
主人公が調理するのも、野生の獣の肉を中心とした食材で、それをいかに肉料理として美味しく調理するか、という料理展開が楽しめます。
そのため、異世界転生マンガの料理ものの中でも、より調理の腕が試されるシチュエーションです。
また、食べることを忌み嫌われていたり、そのまま食べても美味しくない肉を上手に調理するという展開という料理無双ができることになるので、異世界の人たちからの驚きや感動がより多いことになります。
ハーレム展開の方は、それほど派手にはありません。
最初に出会うヒロインのアイ=ファは、クールな性格で始めは明日太に心を開いている様子はあまりありません。
しかし、彼が美味しい料理を作ることや 、部族の他の人達の信頼を得ていくことで、だんだんと見直すようになります。
また彼女は自身も他の部族の民とも距離がありますが、主人公が彼らを満足させる料理を振る舞うことによって、彼女も認められるようになるという展開になります。
このように、料理の腕によって、最初は冷たかった異世界の人達の信頼を得るようになってくる、一種の成り上がり展開が爽快です。
そして、最初はツンツンしているアイ=ファが、明日太へだんだんと思いを寄せるようになり、 他の女性キャラから慕われる様子を見ると不機嫌になったりします。
この二人の関係が今後どのようになっていくかというのも楽しみな作品でもあります。
オススメポイント
料理の腕で周りの信頼をつかみ取る成り上がり展開
異世界の獣肉を使った肉料理
ヒロインとの恋愛展開も楽しめる
とんでもスキルで異世界放浪メシ
作品特徴
登場料理:現世の調味料・食材・異世界の食材で現世の料理
主人公:現世から来たサラリーマン
料理以外の要素:冒険・バトル
現世の料理やお菓子にフェンリルや女神が虜に!?
巻き込まれて異世界に召喚されてしまった主人公のムコーダは、王国から出て、冒険者として生活することを決意します。
なんの戦闘力もない彼ですが、実は彼には「ネットスーパー」というスキルがそわなっていて・・という展開です。
本作は、戦闘力でのボーナスは全くない主人公ながら、「ネットスーパー」というスキルを持っているという設定です。
ネットスーパーは、異世界でもインターネットのような画面で食材を購入すれば、現世からその商品が届くというとんでもスキルです。
そのスキルによって現世の食材や調味料を得つつ、ムコーダの料理の腕で、異世界にはない美味しい料理を作るという「料理無双展開」が楽しめます。
その料理は異世界の人々から絶賛されるだけでなく、伝説の魔獣フェンリルも夢中になり、結果ムコーダの仲間になります。
そのため、バトル展開ではフェンリルが無双してくれます。
そして、ネットスーパーで手に入るお菓子は、異世界の神も魅了し、お菓子を献上することで神の加護も得るというチート状況にもなります。
また、フェンリルの他に可愛いスライムが仲間になり、そのかわいさに癒やされます。
本作はヒロインがいなく、ハーレム展開もないのですが、スライムのスイの可愛さを愛でることができるのが魅力です。
このように、本作は、現世の食材と調理の知識でグルメ展開が楽しめるだけでなく、主人公の料理などを目当てに強力なキャラが味方になり、間接的に無双する展開が楽しめます。
オススメポイント
現世の調味料や食材などが手に入るスキル「ネットスーパー」
現世の料理に異世界人やモンスターが魅了される
伝説のモンスター「フェンリル」を手なずけることで無双展開
辺境の老騎士 バルド・ローエン
作品特徴
登場料理:旅をする中で味わう自然の食材を生かした料理
主人公:名の知れた騎士
料理以外の要素:冒険・バトル
いぶし銀の老騎士が旅をしながら自然の素材を楽しむ
長年領地を守ってきた高名な老騎士の主人公・バルドが、自分が政治の道具として利用されるのを避けるため、一人放浪の旅に出る作品です。
そして、その道中での食事に焦点を当てたグルメ漫画にもなっています。
本作はグルメ要素強めの作品で、主人公をはじめとした各キャラの人間ドラマが、丁寧に描かれています。
また、老いているものの、長年戦いで活躍してきた強さを生かしたバトル展開も読みごたえがあります。
絵のタッチも丁寧で、人物のキャラクターや設定もしっかり描かれているので、渋めの雰囲気が好きな人ならグルメ関係なくオススメできる作品でもあります。
もちろん、旅の食事も丁寧に描かれていおり、グルメ漫画としての側面もしっかりしていて、川で釣った魚を焼くなど、旅の食事らしく、自然のものを自然のままに近い調理で美味しく食べるシーンなどが楽しめます。
多くの異世界漫画では、調理したものが登場するのが多い中、少し変わったグルメ漫画と言えますが、旅人の食事としては違和感ない展開になっています。
このように、ファンタジー世界と、老騎士の放浪の旅、そしてグルメ要素が上手くブレンドされており、グルメ以外の要素も好きな人におすすめの作品です。
オススメポイント
渋さがかっこいい老騎士の旅やバトルが楽しめる
自然に囲まれて自然の食材を堪能できる
ストーリーやキャラクターの人間ドラマもしっかり描かれている
異世界召喚グルメ マジカルテーブルクロス
作品特徴
登場料理:現世のお菓子
主人公:ファンタジー世界の冒険者たち
料理以外の要素:冒険・ギャグ
カップアイスやフエラムネがファンタジー世界で無双する
四人組の冒険者は、何でも望みが叶う「叡智の冠」というアイテムを求め、 ファンタジー世界を旅していました。
そんな彼らが、ある時マジカルテーブルクロスというアイテムを手にします。
それは彼らが望むものを、一日一回だけ召喚する事ができるというアイテムで…という展開です。
本作は、異世界転生要素に、グルメと冒険とギャグ展開が楽しめる作品です。
本作で転生してくるのは、現世のお菓子や調味料です。
登場人物はファンタジー世界の人物だけで、現世から転生してくるキャラはいません。
また大体料理マンガでは、登場するのはメインディッシュになるような料理ばかりですが、本作はその点少し変わっています。
登場するのは、カップアイスやフエラムネなどの製品やお菓子です。
そのため、普段グルメ漫画ではスポットを浴びないようなお菓子に感動する描写を楽しむことができます。
また本作は、ギャグ漫画の要素もあり 、毎回旅の途中にピンチになるのですが、それを脱するために現世のお菓子が登場する展開になります。
色々なシチュエーションで様々なお菓子が登場するので、毎回どんなピンチをどのように克服するかというストーリー展開も楽しみです。
また、個性豊かなキャラクターたちによる笑いの展開もあり、楽しく読めるところも魅力です。
グルメ漫画にお約束の、おいしさに感動するページもあります。
それもメインディッシュではなく、お菓子の美味しさに感動したり、その美味しさを解説するパターンになっているため、他の漫画では見られない表現にも注目です。
オススメポイント
メインディッシュではなくお菓子が登場
現世のお菓子がファンタジー世界の冒険者たちを救う
冒険やギャグ展開など料理以外の要素も面白い
盾の勇者のおしながき
作品特徴
登場料理:異世界の食材で現世の料理
主人公:「盾の勇者の成り上がり」キャラたち
料理以外の要素:スピンオフ作品
「盾の勇者の成り上がり」キャラたちによる料理マンガ
本作は人気異世界転生マンガ「盾の勇者の成り上がり」のスピンオフ作品で、本作のストーリーを踏襲しつつグルメ展開に力を入れた作品です。
主人公のナオフミは、憧れの異世界に転生するものの、転生早々に裏切りに遭い、人間不信になってしまいます。
そのショックから食べ物の味を感じなくなってしまいますが、共に旅をするラフタリアのために現世の頃の知識を使い調理をするという展開から始まります。
その後、メインストーリーを追う形で、各場面場面でナオフミや、その仲間のラフタリアやフィーロとご飯を食べる様子が楽しめます。
メインストーリーを読んでいる人にとっては、その内容を改めて体験しつつ、彼らがどのようなご飯を食べ、どのようなやり取りをしていたのかという展開を楽しめます。
そのため、 メインストーリーやキャラクターたちの物語を分厚くさせてくれます。
登場する料理については、食材や調味料が現世のものを手に入るわけではなく、異世界の食材を使ってナオフミ達が料理します。
それは、獣の肉の丸焼きだったり、卵を使ったプリンなどのメニューを堪能する展開になります。
そのため、ラフタリアやフィーロの二人が、ナオフミの作る料理を喜びながら食べる様子が楽しめます。
話数が進むにつれ、ストーリーの時間軸も先に進むので、色々なキャラによる料理を通じた物語が楽しめそうなので、今後が楽しみな作品でもあります。
また、本作はストーリーを追体験したり、キャラクター同士の関わりを別の側面から見ることができます。
そのため、本作のストーリーやキャラクターたちが好きな人にとっては、彼らの違った一面を見ることができるという点でオススメできる作品です。
オススメポイント
メインディッシュではなくお菓子が登場
現世のお菓子がファンタジー世界の冒険者たちを救う
冒険やギャグ展開など料理以外の要素も面白い
悪役令嬢の追放後!教会改革ごはんで悠々シスター暮らし
作品特徴
登場料理:異世界の食材で現実世界のお菓子や軽食を作る
主人公:追放された悪役令嬢(転生者)
料理以外の要素:スローライフ・恋愛
シスターによるスローライフとなかなか始まらない恋愛が楽しめる
悪役令嬢に転生した主人公のエリザベスが、あっさり貴族の世界から身を引き、修道院のシスターとして生活する展開の作品です。
悪役令嬢ものではありますが、成り上がって見返す展開にはならず、貴族の世界から縁を切り、静かに暮らしながら、現実世界の知識をもとにいろいろな軽食を堪能する作品になっています。
ピクニックに行ったときなどにお菓子やサンドイッチが登場するなど、作品のところどころでエリザベスが作る色々なご飯やお菓子が見られます。
また、ストーリーの本筋としては、スローライフに加えてラブコメ色が強い展開になっています。
エリザベスを慕って追ってきた騎士団長・レオニードが、あまりに不器用でその好意を表現できず、またエリザベスも鈍感なので全く気づきません。
レオニードの、思いとは裏腹のぶっきらぼうぶりや、エリザベスの鈍感ぶりが笑えるコメディになっています。
話が進むにつれて、さすがに関係も変化していきそうですが、そうとうゆっくりな展開が予想されます。
このように本作は、ラブコメ&軽食グルメものという感じの作品で、両方のジャンルが好きな人には、特にオススメな作品です。
オススメポイント
元悪役令嬢のシスターによるスローライフ
軽食やお菓子が楽しめるグルメ要素がメイン
なかなか恋愛が始まらないラブコメ展開も楽しめる
異世界を舞台にした料理マンガは独自の特徴がある
以上のように、料理やグルメ展開が楽しめる異世界漫画のおすすめの作品を紹介してきました。
異世界漫画のグルメ漫画は、純粋に料理要素だけではなく、冒険要素や成り上がり要素、またスピンオフ作品などのパターンが多いです。
どちらかというと、現世の食材や調理に、食文化が現世ほど発達していない異世界の人たちが感動するという展開が楽しみやすくなっています。
そのため現実世界を舞台にした料理マンガよりも、料理や食材への感動ぶりが楽しみやすいと言えるかもしれません。
このように、現実世界を舞台にした作品とは少し違った展開を楽しむことができるでしょう。