なろう系小説原作のコミカライズ作品では、復讐する展開の作品が多くあります。
一部では「ざまぁ系」と呼ばれている、「勇者パーティーを追い出されたけど実は最強でした」という逆転展開を楽しめるタイプの作品も最近出てきました。
勇者パーティを追放される展開が楽しめるオススメ作品は、こちらの記事で紹介しています。
しかし、ざまぁ系よりも酷い仕打ちに遭い、強い憎しみの気持ちを持ち、 残酷なやり返しをする・・という、復讐色の強いなろう系作品も数多くあります。
そこで今回、毎日365日異世界漫画を読んでいる私が、復讐展開が楽しめる「なろう系小説」原作のコミカライズ作品をまとめました。
ちなみに、こちらの記事では、異世界漫画で復讐展開が楽しめる作品を幅広く紹介しています(一部被っています)。
Contents
回復術師のやり直し
作品特徴
復讐対象:王女・かつての仲間
残酷度:高い(暴力表現あり・性描写あり)
復讐の速さ:早め(数話で復讐)
敵も味方も残酷な、血で血を洗う復讐物語。
回復の力の才能がある勇者・ケアルは、王女たちとともに魔王を倒す旅に出ますが、王女に薬漬けにされ、他の仲間にも奴隷のように扱われます。
しかし、回復の力だけではなく、色々な能力を持つケアルは、時間を遡らせることに成功し、人生をやり直すことに成功します。
未来の流れや王女たちのやり口を知っているケヤルは、彼女たちから逃げず、復讐するという選択をして・・という展開です。
本作は、ファンタジー世界の中で主人公がタイムスリップし、復讐するタイプの作品です。
復讐を実現するシチューションには色々ありますが、そのなかでも「今の記憶を持ったまま昔に戻る」というのはかなり強力です。
本作はそれが存分にできる状況になっており、王女の手口をわかりきっているケアルが、これまで受けてきた苦痛を存分に返す展開が楽しめます。
主人公のケヤルは、最初はあえて王女たちのやり口にのるため、前世と同じように薬漬けの日々や拷問を受ける日々を過ごします。
その後、十分な準備をしたうえで王女を凌辱し、王女の部下である卑劣な敵を倒しながら王国を抜け出します。
そして、前世の自分に卑劣な行為をした、他の勇者たちへの復讐の旅に出るという展開が楽しめます。
一度目の人生でケアルが受けた仕打ちは、性的なものも含む拷問で、かなり過酷な運命でした。
しかしケアルのする復讐も、性的なものだったり、拷問したりなど、敵に復讐する主人公たちの中でも残酷な部類に入ると思います。
他のなろう系小説の復讐ものと比べても、かなりダーク寄りで、復讐モノでもシリアスな作品が好きな人にはちょうどいいでしょう。
主人公は確かに残酷な面がありますが、それに負けないほど敵も非道なので、ダークながら胸のすくような展開が楽しめる作品だと思います。
このような血で血を洗う様な復讐物語の感はありますが、冒険をする中で明るいキャラクターが仲間に加わったり、若干ギャグ展開もあるなど、常に暗い要素というわけではありません。
基本王国の人間には容赦がないケアルですが、前世で戦った魔王などには、憎しみではない感情を持っているような感じがあり、復讐以外の人間関係やドラマも楽しめそうな期待もあります。
オススメポイント
タイムスリップ展開での復讐
やられた分以上にやり返す主人公
復讐以外の人間ドラマも期待できそう
ゴブリンスレイヤー
作品特徴
復讐対象:ゴブリン
残酷度:高い(暴力表現あり・性描写ほぼ無し)
復讐の速さ:最速(1話目で復讐)
ゴブリン討伐こそ、我が人生のすべて。
剣と魔法のファンタジー世界で、若い冒険者たちは「ゴブリンを倒す」というクエストを引き受けます。
しかし意外に知能があるゴブリン達に襲われ、為す術もなくパーティは壊滅しまいます。
そんな時、ゴブリン退治を専門に引き受ける、「ゴブリンスレイヤー」と呼ばれる冒険者が現れて・・という展開です。
本作は、ビッグガンガンの連載で、アニメ化もされており、スピンオフ作品が豊富な、非常に人気のある作品で、マンガ好きなら知っている人も多いと思います。
主人公は、ゴブリンを殺すことに執念を燃やし、ゴブリン退治のクエストしか受けないことで有名になっているキャラクターです。
彼は幼い頃に、自分の村をゴブリンに襲われて大切な人を殺され、村を壊滅させられたという憎しみから、ゴブリンに復讐するという目的で行動しています。
復讐展開としては、特定の相手がいるわけではありませんが、ゴブリンという種族への復讐心が、ゴブリン討伐への執着になっています。
また、子供のゴブリンでさえ躊躇なく手にかけるという残忍さも徹底しており、そのダーク具合が本作の魅力にもなっています。
作品内でも十分すぎる数のゴブリンを手にかけており、もう復讐を果たしているくらいだと思われますが、主人公の手は緩みません。
しかし、本作ではゴブリンが醜悪かつ残虐に描かれており、ニヤつきながら冒険者と殺したり、嬲ろうとするなど、主人公が憎むに値する凶悪な敵として描かれています。
卑劣なゴブリンを容赦なく抹殺する爽快さも味わえる、ダークながら胸のすく気持ちにさせてくれる作品になっています。
このように、ダークな展開がベースにはなりますが、無愛想なのになぜか複数の女性キャラからモテるという主人公のハーレムぶりや、仲間達と共にゴブリンを退治したり、たくさんの冒険者と協力してゴブリンから村を守るなどのドラマチックな展開もあります。
「ゴブリンへの復讐」という展開以外にも、楽しめる要素も十分にある人気作です。
オススメポイント
敵はひたすらゴブリンだけ
憎らしいゴブリンに容赦なく復讐する
無口で無愛想なのになぜかモテる主人公
湯沸かし勇者の復讐譚
作品特徴
復讐対象:国王や権力者
残酷度:高い(暴力表現あり・性描写無し)
復讐の速さ:早め(開始数話で復讐)
お湯を沸かすだけの能力が、残酷な復讐の手段に変わる。
剣と魔法のファンタジー世界で、村娘である主人公のキリエは、自分の誕生日に勇者の力を授かることになります。
しかしその力は、「沸騰」という、液体の温度上げるだけの力で、戦闘能力が無いとみなされたキリエは、村に帰されることになります。
村に帰り、母親や妹・親友と再会し喜びに浸った彼女ですが・・という展開です。
本作は、復讐展開の作品では珍しく、少女が主人公ではありますが、男の子が主人公であるのと同じようにシリアスで残酷な展開になります。
絵のタッチも若干少女漫画寄りなところがあるのですが、残酷な表現やシリアスな展開になるため、そのギャップの激しさが特徴的です。
国王は、次の勇者を生み出すという目的で、村ごとキリエを殺そうとするという残酷な展開になりますが、キリエはその仕打ちに負けず、すぐに復讐に取り掛かることになります。
勇者の力を得ることで、単純な戦闘能力があがるだけではなく、「液体の温度を上げる」という能力を、人間の血液に使います。
これによって、相手を殺してしまうことはもちろん、体を部分的に壊すこともできるようになり、役に立たないはずの能力が、強力な復讐の手段になるという展開に驚かされます。
最終的な復讐の相手は、主人公の暗殺を命じた国王であるため、すぐにその相手への復讐を果たすされることはありませんが、村を襲った相手などを返り討ちにするため、ある程度早い段階で復讐を見ることができるのも、復讐ものとしての魅力と言えます。
その後は、仲間となるキャラクターとの出会いがありながら、だんだんと権力がある相手への復讐を果たしていく展開が見られそうです。
このように、主人公の性別と絵のタッチとは裏腹に、残酷な表現やシリアスな展開が強めなので、本格的な復習展開を楽しみたい人にはオススメできます。
しかし、シリアスすぎるのが嫌いな人は、少し苦手に感じるかもしれないので、ポップな絵のタッチに騙されず、心して読みましょう。
オススメポイント
復讐バトル作品には珍しく少女が主人公
沸騰という平和な能力が凶悪な能力に変わる
少女漫画的なタッチながら残酷な描写あり
二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む
作品特徴
復讐対象:王女やかつての仲間
残酷度:高い(暴力表現あり・性描写ほとんど無し)
復讐の速さ:最速(一話目で復讐)
途中で許すなんてありえない、きっちりやり返す復讐劇。
現世からファンタジー世界に転生し、勇者として魔族から世界を救った主人公・カイトですが、その後王女たちの裏切りに遭い、無残にも殺されてしまいます。
王女たちへの復讐を強く願いながら意識を失ったカイトですが、気が付くとかつて自分が転生した直後の状況になっていて・・という展開です。
本作では、転生要素に「チュートリアル」(ゲームなどでよくある、最初にお試し的にプレイするモード)を掛け合わせています。
そのため、転生して一回目の冒険はお試しモードで、一度死んでしまうことで2回目の本番モードになるという仕組みです。
その結果、裏切られ強い復讐心を持ったまま死んでしまったカイトですが、チュートリアルモードから本番モードへ移行するという形で復讐の機会を得ることになります。
実際、一回目の旅で、魔王を倒すほどの力を手に入れたカイトは、能力の制限があるものの、2回目の人生が始まってすぐに王女たちを蹂躙します。
その後、王国を抜け出し、かつて一緒に旅をして、自分を裏切った仲間たちに復讐をするたびに出るという展開が楽しめます。
復讐がテーマの作品では、物語の序盤は主人公が苦しい思いをすることが多いですが、本作では、最初からある程度の復讐を見ることができるところが魅力です。
また、王道の少年漫画では、復讐に燃えるキャラクターが、復讐の旅にでる中で、だんだんとその気持ちが浄化され、「復讐は何も生まない」「復讐にとらわれ続ける人生は無意味だ」とばかりに心変わりするケースがあります。
しかし本作は、そんな生ぬるい展開には全くなりません。
復讐の旅をひたすら進み、心変わり無しにきっちり復讐を果たすことが大いに期待できる、本格的な復讐ストーリーです。
ちなみに、マンガの進みが遅いため、ストーリーが気になる人は原作小説を読むという方法があります。
アマゾンなどでは小説版各巻のストーリー紹介がありますが、どの巻の紹介文を呼んでもダークな復讐展開になっています。
オススメポイント
チュートリアルの概念を取り入れた珍しい設定
始まって一話目から復讐展開が楽しめる
憎しみの心を無くさずブレずに復讐
ニトの怠惰な異世界症候群~最弱職<ヒーラー>なのに最強はチートですか?~
作品特徴
復讐対象:クラスメイト・王女
残酷度:普通(暴力表現あり・性描写無し)
復讐の速さ:遅い(復讐まで時間がかかる)
転生前も転生後も不遇だけど、心折れずに復讐を誓う。
クラスでいじめにあっている学生の日高は、生きる気力をなくし学校で自殺を図ります。
しかし、彼はクラスメイトと共に異世界に転生させられていました。
そして、彼に与えられた職業は、この世界では弱い職業の「ヒーラー」で・・という展開です。
本作では、異世界転生モノの復讐設定としては比較的王道である「クラスメイトや転生させられた国王」への復讐という設定です。
転生前だけでなく、転生後も理不尽に苦しめられるという、かなり不憫な主人公です。
「使えない」と認定されてしまい、ダンジョンの奥底に飛ばされてしまうことになり、苦しい展開が続きます。
しかしながら、ヒーラー以外の特殊な力を身につけることで、だんだん強くなっていく展開が楽しめます。
主人公は、飛ばされてしまったダンジョンの奥で、スキルな能力を「反転」させる能力を身に着け、それに回復の能力を組み合わせることで、一撃で相手の生命力を奪う能力を身に着けます。
その能力を駆使することで強敵にも勝てるようになり、だんだんと強くなる様子が楽しめます。
本作は、主人公がかなり迫害されてしまう展開ではありますが、すぐに復讐できるという展開にはならず、だんだんと力をつけて復讐を果たす展開になっていきそうです。
じっくり復讐していく展開が好きな人や、王道の復讐展開が好きな人はチェックしておいて損はないでしょう。
オススメポイント
現世でいじめられていた主人公が転生後も冷遇される過酷な設定
「回復」×「反転」の能力で、相手の生命を奪う能力
クラスメイトや王女・国王が対象の王道的な復讐展開
なろう系原作の復讐マンガは独特のシチュエーションが楽しめる
以上のように、復讐展開が楽しめるなろう系小説のコミカライズ作品をまとめました。
復讐展開の作品は、なろう系原作の漫画に関わらず、小説やドラマなど、色々な分野でも見られる王道のストーリーです。
なろう系コミカライズの復讐展開は、舞台が現世ではなく、クラスメートや転生させたファンタジー世界の住人、 そしてファンタジー世界のモンスターなどが復讐の対象になることが多いです。
そういう意味では、他の分野では見られない復讐展開が見られるため、このジャンルが好きな人には、他のジャンルの復讐ストーリーでは見られない独特の魅力があるでしょう。